僕が8歳のとき、デパートの配送トラックが僕たちの飼い猫を轢いた。ラッキーだ。
ラッキー?
ああ、ラッキーだ。
彼は意味がわかってない。スルーして。
死んだ猫の名前がラッキーだな?続けて。
僕の家族は悲しんでた。でも僕はラッキーが早死にしたことによって、もっと僕のニーズにあったペットを飼うチャンスが巡ってきたことに気づいたんだ。夜はベッドに寄り添って寝られる忠実な友だけど、テレパシーでいつでも簡単に消せるやつだ。
じゃ子犬じゃないよな?
まさか。そんなありふれたもんじゃない。欲しかったのはグリフィンだ。
グリフィン?
頭がワシで、胴がライオン
神話上の動物だ。
そうは限らない。僕は当時遺伝子組み換え技術の研究をしていて、作り出す自信はあったんだ。でもワシの卵とライオンの精子を親が確保してくれなかった。妹は水泳教室に通えたのに